夜道を歩いていました。
満月前夜の明るさと街灯の明かりで
いちょうの葉っぱが光って見えました。
ちょっとまわり道になるけど
きれいだから
こっちのいちょう並木を通ろうかな
と、歩き始めてすぐに
あっ、しまった!
ぎんなんがたくさん落ちていたのです。
もうこのぎんなんの匂いの道を
まっすぐ歩くしかなく
歩きながら思い出していたのは
学生の頃の通学路でした。
通学路沿いのお寺にある大きないちょうの木
黄色く染まる葉っぱ
ぎんなんの匂い
友達とのおしゃべり
香りとともに記憶がちらり
制服姿の自分を思い出して
懐かしく優しい気持ちになりました。